【2020/08/05】「しもしも~」はこうして伝わる!

皆さんこんにちは!HP担当の石田です!😊

梅雨明けと同時にセミさんのテンションも爆上げですね!笑

ところでセミさんがなぜ鳴くのかが気になって調べてみたんですが、オスがメスに自分の場所を伝えるために鳴いているそうです!

コロナにも負けず積極的に女子を口説きに行く肉食系男子のセミさんたち…

とっても輝いて見えてきますね!笑😄✨

さて、今日のテーマは通信の基礎です!これまでいろいろと通信のお話をしてきましたが、そもそもどうやって電波でデータをやり取りしているか気になっていた方もいたのではないのでしょうか??

もちろんネットで検索すればたくさんわかりやすい解説は載っているのですが、せっかくなのでこのブログでは研究室のテーマである「通信方式」にフォーカスして通信の基礎を解説していきたいと思います!

  • データ伝送の準備
  • データの送受信
  • データを効率よく伝送するために…

データ伝送の準備

 さて、さっそく解説を行っていきますが淡々と説明しても面白みに欠けてしまうので、今回はとある方の力をお借りしたいと思います!携帯電話ギャグの草分け的存在である平●ノラさんです!「しもしも~」というギャグはまさしく通信に関する研究を行っている私たちとしては崇高な存在なのです。著作権的な問題もあって自作でイラストを作成したのですが、あまりの下手さに今度は名誉棄損になりそうです…。平●さんすみません、大目に見てください。


【平●ノラさん】

今回は東京にいる平●ノラさんの肩掛け携帯電話(ショルダーフォン)から発信された「しもしも~」というメールが名古屋にいる私の携帯電話まで届く様子を通じて、通信の仕組みをざっくりと理解していただけたらと思います。

まず、「しもしも~」という文字列をそのまま電波で送ることはとても難しいです。ですから、電波で送りやすいように0と1の信号に変換してあげます。これをデジタル変換といいます!

ここでは、以下のように変換をするルールにしてみましょう!もちろんこのルールを送信側の平●さんと受信側の私であらかじめ共有しています!

「し」→ 01
「も」→ 10
「~」→ 00

このルールに従うと、「しもしも~」という文字列は「0110011000」という数字の列に変換できます!こうなればかなり簡単にデータを送れそうになってきましたね!

さて、お次はどうやって電波でこの01信号を送るかです!これもやはり送信側と受信側であらかじめルールを決めておくことが重要です!

次の図をご覧ください!


【01の情報をどうやって電波に乗せるか】

電波は横波なので、図のようにW字型の波形を0、M字型の波形を1と定めれば波のスタート地点の値を見ることで0と1のどっちを送ろうとしたかを確認できるようになるわけです!さっきの「しもしも~」の文字列は「0110011000」で表せましたから、波の波形は図のようになっているわけですね!

波をつなげてしまったらどこがスタート地点かわからないじゃないか!と思われたかもしれませんが、大丈夫です。電波にも周波数というのがあり、それを一定に保てばナミナミの周期も一定になります。ですから、あらかじめその周期を知っておけばあとはそのタイミングをスタート地点として観測を繰り返せば問題ないわけですね!


データの送受信

 それではいよいよ作った電波を送信していきます。下の図をご覧ください。


【携帯電話と基地局、地中ケーブルの図】

平●ノラさんの携帯電話から発信された「しもしも~」は01信号を表す電波となってまずは近くの基地局に到着します。基地局というのは皆さんがビルや道の脇で見かけることができる電柱のようにそびえたつアンテナです!そして、実はその地下にはデータをやり取りすることができるケーブルが張り巡らされていて、日本中どころか世界中の様々な国までつながっています!このケーブルは光ファイバーと呼ばれていて、基地局で受け取った電波から再度取得した01の信号を、今度は光の点滅に置き換えてデータを送受信しているんですね!

そして、この光ファイバーケーブルを通ってついに私石田がいる名古屋の基地局まで「しもしも~」がやってきました!今度は逆に、基地局から01信号を再度電波に変換して送信し、石田の携帯電話がその信号を受け取ります。そして、携帯電話が01信号を文字列に変換した結果…

「しもしも~」

と表示されるわけですねぇ~。いやぁ、感慨深い。

ついに最初の目標は達成されたわけなんですが、次節でもう少し発展的な内容も説明してみようと思います!


データを効率よく伝送するために…

先ほど、W字型とM字型の電波を0と1に変換する方法をご紹介しました。この方式はBPSKと呼ばれていているのですが、実は一つの波形で1つのビット(0と1のデータのこと)しか送れないので効率が悪いんです。現在のYouTubeやテレビ会議の用途を想定すると、全然効率が足りていないんですね~

では一体どうするか…。それは波形のあてはめ方を工夫するんです。次の図をご覧ください。


【QPSK】

先ほどはM字型とW字型の2通りしかありませんでしたが、4種類の波形を準備しました!ということは4通りの情報を当てはめることができるわけですから、0と1で考えると「00」「01」「10」「11」の4つが考えられますね!

ということは先ほどのBPSKでは1波形につき1つのビットしか送れなかったものが、この方式では1波形につき2ビットを送ることができるので伝送効率が2倍ということになります!ちなみに、この方式をQPSKと呼びます。

同じように波形を16種類、64種類、と2倍ずつ増やしていけば伝送効率がぐんぐん上がります!

じゃあ、めちゃくちゃたくさん波形の種類を増やせばいいじゃないか!と思われましたか?何となくお察しの方もいるかも思いますが、そんなにうまくはいきません…。

電波が伝わる際、空気中を通るので必ず雑音がのってしまいます。音と同じだと思ってくだされば大丈夫です。そうすると、受信側に届いた電波の波形というのは何かしら乱れたものになってしまうんです。ちょうど下の図のような状態ですね!この図はBPSKとQPSKに雑音が乗った様子を示しています!


【雑音が乗った受信波形】

すると、QPSKではもともとの波形が似通っているせいで雑音が少し乗っただけでも間違えやすくなってしまうんです。つまり、効率の良さとデータの正確さはトレードオフ(どっちかをとればどっちかを失う)の関係にあるわけですね~。これが難しいところ…。ちなみに、現行の技術は雑音の度合いによっていくつの波形を用意するかを変えているそうです!

他にも効率化の方法はいろいろあるのですが、今回は基礎なのでここまでで…。


まとめ 

というわけで今回は通信の基礎知識を平●ノラさんの力を借りて説明してきました!なかなかこんなタイプの説明はないかと思いますが、ブログの規模だからこそできる説明を目指した結果こうなりました笑

伝わっていることを願うばかりです!

電波というのは目に見えないのでとっつきにくいイメージをお持ちの方も多いのでは、と思います。しかし、だからこそその仕組みに魅力があるのも事実なんですね~!

気になった学生の皆様はぜひ岡本研へ~!でも平●さんには会えませんのであしからず。。。笑

それでは今日はこの辺で!😉