皆さんこんにちは!😁
HP担当の石田です!めっきり寒くなってまいりました…。
いつも思うのですが秋服の出番がありません。残暑のせいで半そでの時期が長引き、ようやく先日購入した秋服が着られると思ったらあっという間に寒くなって、もうコートが欲しいくらいになってますよね。😭
きっと秋服たちはバラエティ番組のひな壇芸人くらい出番を欲しがっていることでしょうね…。🐄
さて、本日は大人気コーナー(であってほしい)の研究紹介です!今回で4回目を迎えるこのコーナーですが、今回のゲストはたびたび当ブログに登場してくれている塩満君です!
いつも通り研究の概要、背景、提案手法などをわかりやすく解説してまいります!
- 研究の概要と背景
- 提案手法
- 唯一Matlabを使用している学生であることについて
- まとめ
研究の概要と背景
石田「お忙しいところご対応いただきありがとうございます。全然関係ないけど、最近僕らは任●堂スイ●チが欲しいといって盛り上がってるじゃないですか。」
塩満くん「そうですね。マリ男カートやゼル田の伝説などやりたいってよく言ってますよね。石田君は特に熱が入ってるみたいで…。」
石田「そうです、そうです。ネットではなかなか手に入らないけど、郊外に行けば電気屋さんで普通に買えることがあるらしいですよ。よかったら一緒に買いに行きませんか?」
塩満君「あ~…。最近ゴルフ初めて初期投資しちゃったんですよ…。なんでちょっとお金が…。」
石田「は!?そんなん聞いてないぞ!裏切りにもほどがあるでしょ!」
塩満君「ごめんなさい…笑」
石田「じゃあ僕もスイ●チやめてゴルフ始めます。みなさん、次回の投稿は“ゴルフ、始めました。”になりそうです。どうぞよろしくお願いします。」
塩満君「…そろそろインタビューはじめませんか笑」
石田「そうですね、失礼しました笑
まずはいつもの質問行ってみたいと思います。塩満君の研究を一言で表すとズバリ何ですか?」
塩満君「“自動運転に使う無線通信の開発”ですね。」
石田「やってまいりました。自動運転でございます。この言葉で研究室を選んでくれる人も結構いるようですね。実はこの研究テーマ、最初私と塩満君で取りあったんです。自動車が好きだからという単純な理由で選んだ私と血で血を洗う戦いを繰り広げた壮絶な過去があります。」
塩満君「確かじゃんけんでしたよね?」
石田「…さて、自動運転のための無線通信というと、車と車を結ぶ通信の開発になってくるんですか?」
塩満君「それも確かに大事な要素なんですが、僕が担当しているのは基地局と車を結ぶ通信の改良です。ちょうど下の図のような感じですね。自動運転は車同士の単位で行うよりも全体で最適化することが求められますから、基地局との通信も欠かせないわけです。」
【自動運転の通信網を示す図(画像はクリック(タップ)で拡大できます)】
石田「なるほど。自動運転の技術って現在はどんな感じなんですか?」
塩満君「自動運転自体はまだ運用されていませんから、残念ながら既存技術は存在しません。ですから、自動運転を目指す5Gではそれを実現するためのURLLCというシナリオを設けているんです。」
石田「シナリオ…ですか。」
塩満君「そうです。シナリオというのは“こういうことを実現したいから、こういう通信を作ってくださいね”、という目標です。5Gに関する記事は過去にも石田君が書いていたと思いますから、そちらを見てもらえればと思います。(→5Gって何?)」
石田「あ、宣伝ありがとうございます。まるで仕組まれたような会話ですね。ちなみにURLLCというのは“ウッチャンナンチャン リーボックで買い物したら ロリロリの チーズがついてきた”の略称ではないですよね?」
塩満君「惜しいですね。Ultra-Reliable and Low Latency Communicationsです。日本語では超信頼低遅延なんて言われますね。つまり、絶対に間違えなくて、しかも遅延が発生しない通信という意味です。URLLCのシナリオで考えられている用途は自動運転はもちろん、遠隔医療だったりします。つまり、ほんの少しのミスや遅延が許されない環境なわけです。とりわけ自動運転においてデータ伝送に誤りが発生することは車を誤操作することと同義です。誤操作された車がどうなってしまうか、想像に難くないですよね。」
石田「なるほど、絶対に間違えてはいけない通信とは。絶対に笑ってはいけない○○24時よりも難易度が高そうです。となると、現状の通信規格では自動運転の実現は難しいんですか?」
塩満君「残念ながらそうなんです。例えば4Gという現在広く普及している通信規格に沿って自動運転を実現することを考えるとします。場所は高速道路で、時速80kmで走行しているとします。この規格だと基地局でブレーキの指示を出してから実際に車がブレーキをかけるまでに2.2m進んでしまうんです。」
石田「高速道路で2.2m遅れてしまうと考えると…。事故のリスクは相当に高くなりますね…。」
塩満君「そうですね。石田君のギャグの事故リスクよりは高くならなそうですが…。しかし、URLLCで目指している条件ならば、遅延が発生したとしても2.2cmで済むんです。」
石田「2.2cm!全然違いますね。それならば、ほぼ誤差なので大丈夫そうですね。ちなみにURLLCで設定されている”これくらいを目指してね”という指標はどれくらいなんですか?」
塩満君「パケット誤り率(ビットの塊)で、0.001%(2019年時点,現在は変更されています)以下を達成することが目標とされています。つまり、10000パケット送って1回しか間違えてはいけないということですね。」
石田「10000パケットですか…!笑
相当に厳しいですね。一体この厳しい条件をどうやってクリアしたのでしょうか…?」
提案手法
石田「塩満君の研究ではすでにシミュレーションで先ほどの誤り率0.001%以下を達成していますよね?実際にはどうやって実現したのでしょうか?」
塩満君「そうですね。すでに5G向けに考えられていた手法がいくつかあるんですが、その中の一つを改良することで達成しました。まず、もともとの方法を紹介しましょうかね。
通信というのは完璧でなくて、白色ガウス雑音やフェージングという物理現象を電波が受けることにより受信側で誤りが発生することは当然あります。ですから、同じ情報を再送することによって誤りを防いでいるんです。手順としては、
①送信側が電波を送る。
②受信側が誤ったことを確認し、再送を要求する
③送信側が再送要求を確認し、再送する
といった手順になります。」
石田「なるほど、再送を要求している時間がすごくもったいなく感じますね…。」
塩満君「そうなんです。再送を要求した受信側は、送信側が送り直すまで待ってなければいけませんから、ここにすごくタイムラグが発生します。これを何とかしようと考えたわけです。具体的には、再送が必要かどうか、つまり誤りが発生しそうかどうかを送信側であらかじめ予測してしまおうという作戦です。」
石田「そんなことができるんですか!?」
塩満君「はい。過去に受信側が送信側に送り返してきた電波の様子を確認するんです。そのデータが酷く歪んでいれば通信路(電波が通ってきた道)の環境が劣悪であることを示しますから、当然送信側が送る場合も同じように影響を受けることは間違いありません。ですから、再送をすることをあらかじめ決めます。反対に、通信路が良好であれば再送の必要がないことはある程度判断ができるわけです。」
石田「なるほど~。過去の通信路の状態から再送の必要性を判断したわけですね!これは賢い…。」
塩満君「どもども。この手法によって、今までロスしていた時間を削ることができたので、低遅延かつ高信頼を実現できたんです。つまりURLLCの条件を満たせたわけですね。」
石田「よくわかりました!ありがとうございます。」
唯一Matlabを使用している学生であることについて
石田「ということで、ここまで研究の背景から提案手法の内容まで紹介していただきました。ところで、塩満君は実は岡本研究室で唯一Matlab(MathWorks製のシミュレーションソフト)を使用している学生なんです。というのも、岡本研究室では基本的にC言語のみを用いてシミュレーションを行っている人がほとんどなんです。その中で、なぜ塩満君だけがMatlabを使用することになったのですか?」
塩満君「それはずばり5Gの性質にあるでしょうね。5Gの中身はすごく複雑ですから、正直C言語で一つ一つ作っていると全体の完成までにすごく時間がかかってしまうんです。しかも、5Gの中身ってどんどん更新されていくのスピードが本当に命なんです。そこでですが、Matlabは“5Gツールボックス”といって、5Gの構成要素のプログラムが用意されているんです。だから、それを組み合わせるだけでシミュレーションができるので圧倒的にスピードが速いんですよ。そういうわけでMatlabを使用するに至った感じです。」
石田「なるほど~。そういう経緯があったんですね…。塩満君の研究が一番実用に近いと思うのでなかなか聞けない貴重な話がたくさん聞けました!塩満君、ありがとうございました!ゴルフ頑張ってください!」
塩満君「…あ、研究じゃなくてゴルフですか…。」
まとめ
というわけで本日は塩満君に研究内容を紹介していただきました!「5G」「自動運転」というホットなワードだらけの研究でしたが、皆さん興味を持っていただけたでしょうか??
最先端の内容にかかわることもたくさんありますので、本研究をやってみたい方はぜひ岡本研究室へ~
それでは今日はこの辺で!😉